入社して良かったことと悪かったこと①企業選びの観点


はじめに

自分は22新卒でYahoo! Japanに入社しています。さほど就活に時間をかけていたわけではないので、割と雑な理由で選んだ感じですが、会社を比較検討する上で考えてたこと、実態としてどうだったか、という話を書いておこうと思います。書いてたらクソ長くなったのでこのポストでは新卒の就活時にぼんやり考えていたことをまとめて、次回じゃあ実際Yahooどうなんすか?という話を書きます。就活体験記(自分語り)みたいでなんかヤですが、まあ年末で暇なんで手が滑って書いちゃいました。

前提

  • ソフトウェアエンジニアとして働きたい
  • Computer Scienceが好き
  • 人と喋るのは嫌いじゃないでの業務としてクライアントコミュニケーションは別にあっても良い

比較をする

学生時代は各業態で比較をしてました。

ベンチャー

ベンチャーは向き不向きが確実に存在する業態かなぁと思います。会社の状況次第でよかった環境が急に悪くなることもあるのでかなり気をつけて選択しないとダメだと思います。ベンチャーと言っても0→1なのか、1→10なのか、10→100なのかで働き方も働いてる人の雰囲気も全然違いますし、上場、Exit前後で全く別物になることもあるので不確実性が非常に高いです。特に新卒の場合は面倒を見てもらえないと思って入社しないとキツイ場合が多いかと。

甘ったれたことを言うな、みたいな反応されそうですが、やっぱある程度時間に余裕があって、多少の失敗は許容してくれながら、comfort zoneを少し出た程度のタスクをマネージャーが振ってくれて、できないこととか自分の能力に限界があるところに関しては適切にFBをくれたり、時にはサポートしてくれたりする環境の方が成長が期待できると思います。赤字をどうにか補填しないとダメでエンジニアもセールスもみんなhard workしている環境、所属してるprojectもtime sensitiveなので先輩を捕まえて色々聞くのも無理、作ってるプロダクトはまだまだ自動化できていないことが多いので、特に個人の成長につながらない単純作業があって、どうしようもないため新卒にそういう仕事が降りてきて業務時間の大半を雑務で過ごすことになる、加えて自分も残業がすごいので平日夜に勉強する時間とか作れなくてスキルセットの幅は広がっていかない…とかもなくはないと思います。バキバキに中途入社組と肩を並べてoutput出せます、なんなら俺の方が5年目のあいつより仕事できるっす、みたいな人なら自信を持って入社しても楽しい仕事をかっさらえていいのだろうな、と思いましたが、自分にはきつかったです。

ちょっとヤバ目のプロジェクトの場合を出しちゃいましたが、適切な環境を選べば大きく成長できる環境もあることは理解しています。大手と違ってリソースの制約があり、人も金もなかなかない状況下で、プロジェクトを前に進めるために多角的な視点から意思決定を行い、エンジニアという職域を超えた働きを通して事業を成長させていける人材になれるのであれば十分魅力的だと思います。分業が進んでしまった大手と比較すると経験の横幅、みたいなところは圧倒的に分があると感じました。

たまにベンチャー→大手は無理だが逆はできる、みたいな言説を目にしますが、エンジニアに関しては的をいてないと思うので、そこは別に気にしませんでした。あれはソフトスキルでしか評価できない職種(e.g. 営業)の話をしているのであって、ハードスキルで評価をされるエンジニアは全く話が別だと思ってました。が、結論として諸々不確実性が大きいのでベンチャーはやめとくか、となりました。新卒の場合は内定から入社まで1年程度のgapがあるのも意思決定を難しくした一因ではありました。ベンチャーの1年は事業と会社のconditionを変化させるのに十分な期間だと思います。

SIer

IT企業って括りにはなると思いますが、もはや別の世界なので見なかったことにしました。日本のSI論に関しては、以下の記事がよくまとまってるなぁと感じてます。

SIerとは何か、何であるべきか ― 偉大ならざるリスクテイカー|ミック|note

正直ソフトウェアエンジニアとして働きたいという前提に立つと、SIに就職するのは選択はあまり良いものとは思えなかったので選択肢には上がってませんでした。R&Dをやってる部隊とかならアリかもなぁと思いましたが、R&Dに力を入れてる会社というのは必然的に大企業となり、かなり古い会社も多く、良い噂と悪い噂の両方があって、決め手にかける、といった印象でした。

外資のソフトウェアエンジニア

外資SWE(SDE)と呼ばれるポジションは、自分が知る限り営業やサポートエンジニア、プリ/ポストセールスと比較して募集がそもそも多くなく、入社のハードル自体もかなり高いことが多い印象があります。当時の自分を振り返ってもまあ入社は厳しかった気がするのと、Leet Codeとか一生懸命といて、面接準備をして、なんとか入社したところで、実力に見合わず結構キツイ思いをしそうだなという印象を持っていたのでそもそも受けていません。身の丈にあったポジションでしっかり成長し、その上でやりたいことがありそうなら将来受けてみてもいいかな、くらいの認識でした。

また、実態として何をやっているのかの情報が見つかりづらいというのもあります。本社自体は米国やヨーロッパ圏にある場合、どういう意図で日本法人をもうけているのかをちゃんとリサーチした方が良い気がします。入社しても日本のお客さん向けに自社サービスのローカライゼーションやadd on開発だけしてて製品のcoreな開発はやっていない、みたいなケースも全然ありそうで、元々それを承知の上でやりたくて入社した場合は良いと思いますが、そもそもcoreな開発がやりたかったんだけど・・・みたいな人はミスマッチになったりする気がしますし。

まとめると以下の2点の不確実性が高く、リスク許容できなかったため選択から外しました。

  • requirementがキツいので、面接のための小手先テクニックでちょろまかして入社しても、入社後ちゃんとついていけるか不明
  • そもそも日本法人として何やってるか不明な会社が多い

外資のプリ/ポストセールス・サポートエンジニア

募集もそれなりにありますし、選択としてナシではなかったです。ただ専業のエンジニアと比較して、セールス・コンサルタント成分が含まれるためか給与が異常に高いです。儲かってる会社とかだと新卒から1000万前後稼ぐことも夢じゃないです。そういう人も見ました。

待遇面が魅力的なのですが、同時にそこがデメリットでもあり、Software Engineerに転職すると大抵の場合給与が下がる気がします。同じくらいの待遇をエンジニア職で保とうとすると、先述した外資SWEと日系のごく一部の企業(smart newsやメルカリ、ウーブン・プラネット)に転職するしかないんじゃないでしょうか。サンプル数は少ないですが、待遇保ったたままエンジニアに転職した事例を自分は知りません。探せばいると思いますが。

プリセールスやポストセールスも楽しい仕事だとは思うのですが、エンジニア → プリ/ポストセールスは待遇も上がるし現場で働いたことあってボチボチ喋れる人は需要が高いのでキャリアパスとしてはイケる気がします。しかし、逆は給与下がるし結構厳しいんじゃないかなという仮説がありました。人間は生活水準を上げると下げられない生き物ですし、年に700万とか1000万とか稼いじゃうと調子にのって結構お金使っちゃう気がしてたので、新卒ではやめとくか、ってなった次第です。ずっとITコンサルタントとして生きてくって意思決定が自分にできればそれでよかったんですけどね。何かを作りたいなという欲求は捨てられませんでした。

Web系企業(リクルート楽天Yahoo!クックパッド、メルカリなど)

最も現実的な選択肢でした。

  • 長期インターンでの経験や個人での開発経験、研究等でweb開発自体は経験がある領域だった
  • 各社情報発信に積極的でテックブログを見ると大体中で何やってるか想像がつく
  • 社内にポジション・プロジェクトもたくさんあるので転職せずとも色々経験できる(制度的に整ってる会社もある)
  • 給与は福利厚生を加味した可処分所得は大体ならすとどこも500万で一年目はさほど変わらない(メルカリ等、一部の企業は除く)
  • サポーターズの逆求人イベントでエンジニアとコンタクトを取れた会社が複数社あって、なんとなく雰囲気がわかった
  • 大体みんな幸せそう(一番重要)
  • ホワイトな会社多い

外資と比較すると待遇面は劣りますが、ハードスキルをしっかり伸ばせばどこで働いてても満足できるだけ貰えるようになると考えていた(無理そうなら転職ハックなりなんなりで給与なんぞどうとでもできる)ので大きなデメリットではないな、と感じたのでWeb系に就職するのが丸そうだな、と判断した次第です。結果としてYahoo! Japanに入社しました。

Yahoo!にした決め手はPrivate Cloudを自社で運用しているため基盤技術に非常に強いエンジニアがいることや、抱えているサービスが多くて得られる経験の幅が広そう、超絶ホワイトなので可処分時間が多い、みたいなところです。

仕事自体は好きだしhard workもやぶさかではないのですが、実際働いてみてなんか違う感を感じた時に、平日夜と休日の時間を投資して別のスキルセットを確立して逃亡できる選択肢がほしかったのでホワイトなところは外せませんでした。特に大手の新卒は中途と違ってポジションとのマッチングではなくトップダウンな戦略のもと人員配置が決定されることが多いので、入社後の配属が希望したポジションと違うじゃねぇか!!ってなることもあり得るな、と思ってたので…配属が大外れってことはない会社が多い気もしますが、心の底からやりたいって思えてない仕事でhard workするのは本当に辛いことは想像に難くなかったです。

まとめ

なんというか凄まじい分量になってしまいましたが、自分の当時な雑な意思決定としては上記のような感じでした。

入社してみての感想はこちらです。